弁護士活動日誌

外国人の労働者問題

 「日本は戦後一貫して単純労働者の入国を禁じてきた。しかし、裏口が二つある。一つは日系ブラジル・ペルー人(35万人)。彼らは日系人とその家族という身分で取得しているため、就労の制限がなく、全国各地の自動車、電気、食品関連の工場で単純労働している。この親に連れてこられた南米の子どもたちは言語の壁から日本の教育についていけず、10代から親と同じ工場で単純労働に就くケースが多い。もう一つは中国人などの研修生・実習生(10万人)。国が定めた研修・実習制度は本来、日本で覚えた技能・スキルを母国で生かしてもらうという趣旨だが、実態はアパレル工場など中小企業が低賃金な労働力を確保するために働かされている。違法な残業や賃金未払いから毎年1000人を超える外国人研修・実習生が失踪、告発も相次いでいる」(週間東洋経済2006.9.16)。

 私は、2007年2月に予定されている民主法律協会主催の権利討論集会において、外国人労働者問題を取り上げる部会の実行委員になり、現在準備を進めている。ニューカマーが増加する中、その労働者問題も深刻となってきており、その現状を把握してもらい問題意識を共有することを目的としている。かかる問題について議論する際、「日本人だけでも大変なのに、外国人のことをとやかく議論している暇はない」とか「そんなに環境が悪ければ本国に帰ったら良い」といった話を聞くことがある。しかし、当然あるべき権利が保障されていない外国人労働者の現状の問題と、政策的な議論は別の次元にあり、前者を理解し問題を解決する努力をする必要は既に緊迫した状況にある。主要な労働法規には、国籍や人種による差別を明確に禁止する規定が存在している。このように、法制度上は外国人労働者と日本人労働者との平等取扱いは徹底していることを再認識しなければならない。  外国人の労働者問題と同時に深刻なのは、外国人の子どもの教育環境である。ブラジル人の集住都市である岐阜県可児市を調査したところ、可児市に住民登録する子どもの不就学率は実に1割に上り、これは日本人の不就学率の100倍に相当するとのことであった。労働問題は、人間生活のすべてに関係していることを改めて感じさせられる。今後も在日外国人が有する諸問題について、積極的に取り上げ関わって行けたらと思う。

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