弁護士 和田 香の部屋

可愛い

2016/08/15 00:00:10

「可愛い」。この言葉が好きなのは、小さな子どもだけではありません。大きくなっても、可愛いと思ってもらいたい相手に「可愛い」と言われれば、ええ、私だって悪い気はしないし、犬の小梅なんて「賢い」と言われても小振りにしかしない尻尾を「可愛い」と言われればちぎれんばかりに振って応えます。
でも、猫は?猫のうららは、私がどんなに「可愛い」と褒めそやしても「フン!シャーらしいわ、あっち行け」と尻尾をバンバン床に叩きつけて威嚇します。
どうしてなのか、分かりませんでした。しかし、『きりこについて』(西加奈子著・角川文庫)という小説を読んで分かりました。引用します。『「鼻が濡れてるわ、可愛いなぁ。」 「肉球が桃色やわ、可愛いなぁ。」 笑止!猫は高潔な肉食獣である。』。
さて、「きりこは、ぶすである。」から始まるこの小説、「可愛い」が1つのキーワードになっています。溌剌と生きていたきりこが紆余曲折、猫のラムセス2世と〝他の誰でもないきりこ〟として、〝他の誰でもない〟周囲の人達と〝他の誰でもない〟ことを取り戻して生きていく、とっても素敵なお話です。是非、ご覧になってください。

ページの先頭へ戻る