当事務所の弁護士が関与した主な事件
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手錠腰縄国家賠償請求訴訟

分野
年月日・判断機関
2016年3月11日 大阪地方裁判所へ提訴
2019年5月27日 第一審判決(確定)
事案の概要・争点・コメント
事案の概要
 弁護人より裁判官や傍聴人から手錠・腰縄姿を見られないようにする措置を裁判所に求めたにもかかわらず、何らの措置もとられなかった結果、傍聴人らに手錠・腰縄姿を晒すことを余儀なくされた被告人を原告として、国家賠償を求める訴訟を提起した。

争点
 刑事法廷への入退廷時、刑事被告人が手錠と腰縄で身体拘束された姿を晒されることの合憲性及び合法性(無罪推定及び当事者主義の司法原則に反するか否か、人格権の侵害に該当するか否か)

コメント
 大阪地方裁判所(大須賀寛之裁判長)は、「現在の社会一般の受け取り方を基準とした場合,手錠等を施された被告人の姿は,罪人,有罪であるとの印象を与えるおそれがないとはいえないものであって,手錠等を施されること自体,通常人の感覚として極めて不名誉なものと感じることは,十分に理解されるところである。また,上記のような手錠等についての社会一般の受け取り方を基準とした場合,手錠等を施された姿を公衆の前にさらされた者は,自尊心を著しく傷つけられ,耐え難い屈辱感と精神的苦痛を受けることになることも想像に難くない。これらのことに加えて確定判決を経ていない被告人は無罪の推定を受ける地位にあることにもかんがみると,個人の尊厳と人格価値の尊重を宣言し,個人の容貌等に関する人格的利益を保障している憲法13条の趣旨に照らし, 身柄拘束を受けている被告人は,上記のとおりみだりに容ぼうや姿態を撮影されない権利を有しているというにとどまらず,手錠等を施された姿をみだりに公衆にさらされないとの正当な利益ないし期待を有しており,かかる利益ないし期待についても人格的利益として法的な保護に値するものと解することが相当である。」と判断し、被告人の手錠等を施された姿をみだりに公衆にさらされないことを法的権利として認める画期的な判決をした(国家賠償請求については、本件裁判官らが執った措置が、法廷警察権の目的、範囲を著しく逸脱し、又はその方法が甚だしく不当であるなどの特段の事情があるとまで認めることはできないとして棄却している。)
本判決の意義は大きく、本判決が報道等される経過の中、申し入れを受けた裁判所が衝立等を立てて被告人の手錠・腰縄姿を晒さないようにする措置をとったとする報告が全国から寄せられるようになった。自分の刑事裁判を受けるにあたって、なぜ傍聴人や司法関係者に手錠・腰縄姿を晒さなければならないのか。現在の運用が抜本的に改善されるよう、本判決を契機にさらなる運動を展開できればと思う。

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