暑中お見舞い申し上げます
最近、裁判官が俳優ピエール瀧に対し有罪判決を言い渡した際になした「説諭」(正式には「訓戒」という=刑訴規則221条)が話題になった。証拠資料のなかに友人から送られた「人生」という文字が掲げられていた写真に着目して、今後において「人生と書いてくれた人の気持ちに応えられているか胸に手を当てて考えてほしい」と語りかけたという。こうした説諭に対しては、裁判官が法壇から上から目線でいうもので好ましくないとか、裁判官のスタンドプレーにすぎないとして、消極的な裁判官もいるのだが、今回の訓戒は穏当なものであったように思う。 「人生」といえば、芥川龍之介に有名な警句がある。「人生は一箱のマッチ箱に似ている。重大に扱うのは馬鹿馬鹿しい。しかし重大に扱わなければ危険である。」というものだ。一本のマッチではなく、一箱のマッチといったところを味わうべしとするコメントもあるが、ともかくも、52歳のピエール瀧よりかなり年長である小子としては、残されたマッチ一本一本、すなわち一日一日を大切に過ごすしかあるまい。
あべの総合法律事務所
弁護士 蒲田 豊彦 弁護士上出 恭子
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Posted by 2019/08/01 00:00:01 | パーマリンク