弁護士 中森俊久の部屋

70年前の現実

2014/09/13 06:27:57

2014年4月15日からブリュッセル(ベルギー)で開催された国際民主法律家協会(IADL)第18回大会に参加した帰りにポーランドに移動し、同国南部にあるアウシュビッツ第1、第2収容所を見学した。収容所は、ナチス政権下のドイツが行ったホロコーストの象徴と言われているが、近年、各国から見学に訪れる人が後を絶たない。何故にナチス政権がホロコーストを行ったのか…、その理由は多説あるようだが、いずれにせよ私自身率直に感じたのは、「人間の無力さ」や「人間の限界」である。ガイドをして下さった現地在住の日本人の方は、日本でのヘイトスピーチの議論に疑問を投げかけ、法規制するのは当然であるとのヨーロッパでの「感覚」を話されていた。当時の残酷な状況を目の当たりにし何とも言えない気持ちになったが、いずれにせよ、これが約70年程前の現実であることを肝に銘じなければならないと感じた次第である。

ワン・ワールド・フェスティバル

2014/02/10 13:33:36

  市民に広く国際協力の大切さを認識してもらい、活動に参加してもらう機会を提供しようと、関西を中心に国際協力に携わっているNGO、国際機関、自治体、企業などが協力し、1993年から毎年、国際協力の催し「ワン・ワールド・フェスティバル(OWF)」を開催しています。
 今年も2月1日~2日、大阪国際交流センターにてこの催しが開催され、私が所属している国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」も、ブースにて展示や本の出版を行うとともに、国際人権をテーマにした講演会を企画するなどしました。
 この催し、外務省が協力していることもあり規模が大きく、民族料理模擬展ではいろんな国の料理が楽しめます。
  「ワン・ワールド・フェスティバル」という名前を頭の片隅に残していただき、いつかの機会に参加いただけたら嬉しく思います。
 寒さが益々厳しくなりますが、風邪など引かぬようどうぞお身体ご自愛下さい。
 

出張授業

2014/01/09 16:48:33

先日、大阪弁護士会の法教育委員会の活動として、市内の高等学校3年生のとあるクラスで出張授業をしてきた。労働問題と消費者問題がテーマであったところ、事前に貰った質問の中に「障がい者には最低賃金は保障されないのか?」というものがあった。この点調べてみると、当然ながら障がい者にも最低賃金が保障されるのが原則であるところ、「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方」については使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額を行う特例が認められていたり、作業所や授産施設においては、一定の条件を満たせば、労働ではなく訓練であるとして、労働基準法の適用が除外されるとのことであった。もっとも、実際は、他の労働者と同じように働く障がい者に対し減額の特例を認める許可が横行していたり、作業実態が「訓練」を超えた「労働」にあたる施設が存在し、それらが社会問題化していることも分かった。問題意識や関心を持つことの大切さを改めて痛感した出張授業であった。

「ジョブ型正社員」、「限定正社員」の導入で解雇法理は変わるのか!

2013/12/10 11:29:58

  民主法律協会主催による労働政策に関する学習会のご案内をさせていただきます。
 一般の方も参加可能ですので、関心のある方にぜひご参加いただけたらと思います。
 参加希望の方は、民主法律協会<minpokyo@mx3.alpha-web.ne.jp>までご連絡下さい。

 「ジョブ型正社員」、「限定正社員」の導入で解雇法理は変わるのか!

 日時  2013年12月21日(土) 午後1時~4時30分
 会場  大阪弁護士会館9階920号
 資料代 1000円

  ■情勢報告:「ジョブ型正社員」構想をめぐる情勢(菅野園子弁護士)
 ■基調講演:米津 孝司 中央大学法務研究科教授
 ■報告①:規制改革会議WGで取り上げられた裁判例(和田香弁護士)
 ■報告②:現場からの報告(日本郵政グループ、パナソニックなど)

 勤務地や職種を限定した「ジョブ型正社員」・「限定正社員」について、
解雇法理を緩和しようとする動きが安倍政権のもとで急速に進んでいます。すでに大企業を中心に、
勤務地や職種を限定した採用が広がっています。勤務地や職種がなくなればクビになるのも当然なのか?
解雇法理の解釈・適用において、いかなる影響があるのかを検討します。
 解雇法理について造詣の深い中央大学法務研究科米津孝司教授に基調講演を行っていただきます。
 解雇権濫用法理のそもそも論に立ち返り、何のための誰のための解雇法理なのか、判例ではどのように解されてきたのかをお話いただきます。
  また、すでに職種や勤務地が「限定」された雇用が導入されている職場では、何が起きているのかを、現場から報告していただく予定です。
  「ジョブ型正社員」「限定正社員」構想によって、労働者にとって望ましい「多様な働き方」は実現できるのか?
  あらためて解雇制限法理の理論的成り立ちに遡って深く迫っていきたいと思います。
  多くの方の参加をお待ちしております。
 

婚外子の相続差別を違憲とする判断

2013/10/10 10:46:48

 2013年9月4日、最高裁判所大法廷は、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定が、法の下の平等を保障した憲法に違反するかが争われた2件の家事審判の特別抗告審で、同規定を違憲とする初判断を示しました。
 最高裁判所は、決定で、「婚姻、家族の形態が著しく多様化しており、これに伴い、婚姻、家族の在り方に対する国民の意識の多様化が大きく進んでいる」と指摘し、諸外国の状況の変化や、日本が批准した条約の内容とこれに基づき設置された委員会からの指摘等も踏まえたうえで、
「家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかである。」
「子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきている。」
と明示し、違憲判断を行っています。
 現在、嫡出子と嫡出子でない子の相続分に差異を設けている国は欧米諸国にはなく、世界的にも限らている状況です(最高裁はこの点も指摘しています)。
 何故日本だけ立法改正が遅れ、最高裁が違憲判断を示さざるをえなかったのでしょうか。非嫡出子が諸外国と比べれば少ないという日本社会の中で、少数者に対する差別の問題が軽んじらてきた側面を否定できないように思えます。 

「ガラケー」から「スマホ」へ

2013/09/06 08:22:10

携帯電話をガラケー(ガラパゴス携帯)からスマートフォンに変えた。少年事件の少年から「まだパカパカ携帯使ってるん?」と言われたこと、周囲のスマートフォン比率の高さを目の当たりにしていたこと、ドコモから新機種が発売されたことが購入の動機となっている。

しかし、このスマホ、慣れるまでに時間を要する。知らない間に誰かに電話をかけていたり、マナーモードの着信に気付かなかったり、勝手にネットワークが無効化されていたりと、当初は苛々させられることもあった。手にして気付き始めたのだが、スマホは電話ではなく、まさしくパソコンだ。電話とメールだけならガラケーで十分であり、スマホの多くの機能を使いこなせなければ、宝の持ち腐れである。

そのような意気込みのもと、ガラケーに再び戻るのではないかという一抹の不安を感じながら、何とか名実とものスマホユーザーに辿り着きたいと願う今日この頃である。

 

原爆症の認定行政について

2013/08/10 11:22:50

 8月2日、ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟において、未認定原告8名全員(厚生労働大臣宛に原爆症認定の申請をしたが却下された方々)の却下処分を取り消す被爆者勝訴の判決がありました。
 原爆症認定に関する行政の運用の誤りは顕著です。  
 それにもかかわらず、小手先だけの認定基準の改訂に終始し、抜本的な問題解決を図ろうとしない国の姿勢は厳しく非難されなければなりません。
 
今一度被爆者の声に真摯に耳を傾けるべきだと思います。 

劇団きづがわ創立50周年記念公演№2(第66回公演)

2013/06/10 15:37:02

 今回は劇団きづがわの舞台をご紹介します。
世界のダイキンに挑む仲間たちの姿を通して
「非正規」問題の核心を衝くヒューマンドラマです。
毎回考え、感動させられる劇団きづがわの舞台、
ご都合つく方、是非ご覧いただけたらと思います。

とき 6月21日(金)午後6時45分~
    6月22日(土)午後2時~、午後6時~
ところ クレオ大阪西ホール(JR環状線&阪神/西九条駅下車3分)
入場料 前売り一般3,000円
      学障シニア(65才以上)&ペア(夫婦・恋人)2,500円
      団体割引10人以上2,500円
     (当日券はいずれも500円アップ)

問い合わせ先 劇団きづがわ(06-6551-3481、090-7359-7335)

内容:ダイキン工業の堺製作所で、2010年8月末、203名の「有期間社員」が
「雇い止め」となった。ところが、その一方で、ダイキン工業は、240名の新たな
有期間社員を雇い入れた。何故、そんな必要があるのか?何故、自分たちは「雇い止め」

(クビ)にならなければならないのか?彼らはいずれも、5年、10年、15年と、「偽装請負・
違法派遣」のもと、「支援従業員」と呼ばれダイキンで働き続け、その後、2年半前からは直接
雇用され、「有期間社員」となり働いてきた・・・・・・。やがて、その疑問が解き明かされ、

彼らは裁判闘争を決意する。世界のダイキンに、たった4人で立ち向かうのである。
このドラマは、その4人の仲間たちと、彼らを励まし、支え合う人々のものがたりである。
 

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)の改正

2013/04/10 16:01:48

 急速な高齢化の進行に対応し、高年齢者が少なくとも年金受給開始年齢までは意欲と能力に応じて働き続けられる環境の整備を目的として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、平成25年4月1日から施行されます。

 今回の改正のポイントを3つご紹介します。
 

 ①継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止
  継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みが廃止されます。
 

 ②継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大
  継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲を当該雇用先のみならず、そのグループ企業まで拡大する仕組みが設けられます。
 

 ③義務違反の企業に対する公表制度の導入
  高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定が設けられます。

  これまで、65歳未満の定年を定めている事業主に対して、65歳までの雇用を確保するため、
A 定年の引き上げ
B 継続雇用制度の導入(労使協定により基準を定めた場合は、
  希望者全員を対象としない制度も可)
C 定年の定めの廃止
のいずれかを導入する義務(法第9条)が平成16年改正で既に義務付けられていたところ、Bの例外規定が廃止されることで、希望者全員を継続雇用制度の対象とすることが必要になります(但し、一定の経過措置はあります。)。

 高齢化社会が進む状況のもと、60歳以上の方々の生活スタイルが多様化し、その選択肢が増えることは非常に重要なことではないでしょうか。
 希望者全員を継続雇用制度の対象にすることは、その一歩前進だと思います。

司法研修所卒10周年

2013/03/11 10:46:56

司法研修所を卒業してから丸10年が経過した。司法研修所とは、司法試験合格後、実務を勉強するために、弁護士・検察官・裁判官の卵が入所する機関である。昨年の9月には、卒後10年の節目に開催される「司法研修所第55期10周年記念大会」が熱海で開催され、各地から同期が集まった。久しぶりの同期との再会に、学生時代に戻ったかのような懐かしい気持ちになり、また、各人の職場での活躍ぶりに多くの刺激を受けた。

 私の時代の司法研修(期間は1年半)は、3か月の司法研修所(埼玉県和光市)での前記修習の後に、1年間全国各地に配転され、裁判所・検察庁・法律事務所での実務修習を経て再び研修所に集まり、3か月の後期修習を受けるという内容であった。私の配属先は和歌山で、同じく和歌山に配属された同期は私を含めて8人であった。研修所のクラスのメンバーや和歌山でのメンバーと共に学んだ経験は、とても貴重であり、今でも大きな支えとなっている。10年目の節目に同期と再会できたことを嬉しく思うとともに、感謝の気持ちを忘れずに、今後も頑張れたらと思う。

 

 

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