2020年03月
財産開示手続きが強化されました
2020/03/17 14:29:35
判決などを取得しても、相手方が任意に応じない限り、強制執行を検討する必要があります。もっとも、相手方がどのような財産を有しているか把握できなければ、強制執行も絵に描いた餅となってしまいます。
この点、今回の民事執行法の改正では、①財産開示手続が強化され、②債務者以外の第三者からの情報取得手続が新設されました。
①の手続は、債務者(開示義務者)が財産開示期日に出頭し、宣誓の上で財産を開示する手続ですが、改正法では確定判決等を有する債権者のみならず、仮執行宣言付判決を得た者や公正証書により金銭債権を有する者等についても申立が可能となりました。また、債務者が財産開示手続に応じなかった場合や虚偽の陳述をした場合の制裁として、改正法では6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金という刑事罰が科されることになりました。
また、新設された②の手続によれば、①不動産登記を扱う法務局等に対して、債務者が所有権の登記名義を有する土地・建物の情報の提供を求めたり、②市町村や日本年金機構等に対して、債務者が受給する給与等に関する情報の提供を求めたり(私生活上の利益に関わる観点から、履行確保の必要性が特に生命・身体侵害による損害賠償請求権等を有する場合に限られます。)、③銀行等に対して債務者が保有する預貯金に関する提供などを求めることができるようになりました。
上記のような改正が契機になり、債務者が任意に支払おうとする意思が高まることを期待します。なお、民事執行法改正は2020年5月17日までの施行が予定されています(但し、債務者の不動産にかかる情報を取得する手続についてのみ、2021年5月17日までの施行)。
Posted by 中森俊久 | パーマリンク
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