弁護士 中森俊久の部屋

2013年10月

婚外子の相続差別を違憲とする判断

2013/10/10 10:46:48

 2013年9月4日、最高裁判所大法廷は、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定が、法の下の平等を保障した憲法に違反するかが争われた2件の家事審判の特別抗告審で、同規定を違憲とする初判断を示しました。
 最高裁判所は、決定で、「婚姻、家族の形態が著しく多様化しており、これに伴い、婚姻、家族の在り方に対する国民の意識の多様化が大きく進んでいる」と指摘し、諸外国の状況の変化や、日本が批准した条約の内容とこれに基づき設置された委員会からの指摘等も踏まえたうえで、
「家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかである。」
「子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきている。」
と明示し、違憲判断を行っています。
 現在、嫡出子と嫡出子でない子の相続分に差異を設けている国は欧米諸国にはなく、世界的にも限らている状況です(最高裁はこの点も指摘しています)。
 何故日本だけ立法改正が遅れ、最高裁が違憲判断を示さざるをえなかったのでしょうか。非嫡出子が諸外国と比べれば少ないという日本社会の中で、少数者に対する差別の問題が軽んじらてきた側面を否定できないように思えます。 

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