弁護士 中森俊久の部屋

2013年02月

2013/02/10 15:21:07

来年度予算編成過程において、厚生労働大臣が生活保護基準の引き下げを行おうとする動きがあります。
この点、生活保護基準は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」基準であって、わが国の生存権保障の水準を決する極めて重要なものです。
生活保護基準を引き下げれば、保護が廃止されたり、保護費が減少する方々が増大するだけではなく、最低賃金などを始めとする労働条件にも大きな影響が及びます。
また、生活保護基準は、地方税の非課税基準、介護保険の保険料・利用料や障害者自立支援法による利用料の減額基準、就学援助の給付対象基準など、福祉・教育・税制などの多様な施策の適用基準にも連動しています。
このように、市民生活に大きな影響を与える生活保護基準については、社会的弱者の意見を十分に聞き、その生活実態を綿密に調査したうえで、適正に検討されるべきです。
しかしながら、現在のところ、そのような意見聴取や調査などに基づく検討が十分になされているとは到底いえません。
財政支出削減を目的として「初めに引き下げありき」という姿勢で生活保護基準の引き下げが政治的に決せられることは、生存権保障をないがしろにするものであって、許されるべきではないと考えます。

 

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