弁護士 中森俊久の部屋

2012年04月

「欠陥住宅における損害賠償請求と、居住したことによる利益の損益相殺について」(最高裁平成22年6月17日付判決)

2012/04/17 17:48:53

本件は、新築建物を購入した消費者が、建て替えを必要とする重大な欠陥(瑕疵・かし)があると主張して、業者らに損害賠償を求めた事案です。業者側は、建て替えまでの間、消費者が本件建物に居住していたことが利益に当たるとして、つまり、その間家賃を支払わずに住居を確保できたとして、建て替え費用からの居住利益の控除を主張しました。  この点、上記最高裁判決は、新築建物に重大な瑕疵があり、建て替えざるを得ない場合など、社会通念上、建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべきときには、居住の利益について、損害額から控除することはできないとしました。重大な欠陥のある家に居住することは、消費者にとっても苦痛な話です。 下級審判決では、この点に対する判断が分かれていましたが、最高裁により、判例の統一が図られたものといえます。 

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