弁護士 中森俊久の部屋

2011年08月

原発と原爆 

2011/08/25 10:07:34

原発事故が一向に収束しない状況に、多くの人が辟易している状況だと思う。政府は、2011年4月22日、福島原発から20㎞の警戒区域の外側で、放射性物質の累積量が高い地域を計画的避難区域に指定し、それまでの同心円状の線引きを見直した。

 また、放射線影響研究所などで構成される「放射線影響研究機関協議会」の関係者は、5月11日、原発の周辺住民15万人を30年以上かけて調査する方針を明らかにしている。

 このように、今でこそ放射性降下物や内部被曝等の影響が注目されているが、私が弁護団に所属する原爆症認定集団訴訟では、国は従来、「計算方式上、爆心地から2㎞以遠にはほとん放射線が到達しなかった」と繰り返し主張し、内部被曝等の影響も殆ど無視できると居直ってきた。20㎞と2㎞…この単純な比較を見る限りにおいても、原爆放射線の影響が如何に過少評価され、それにより多くの被爆者の苦しみが蔑ろにされてきたことが窺える。

 未曾有の震災の被害が一刻も早く回復されることを願うとともに、高齢となった被爆者の声に改めて真摯に耳を傾ける必要性を感じる次第である。 

ページの先頭へ戻る