弁護士 森野 俊彦の部屋

2021年01月

新聞小説の楽しみ

2021/01/01 00:00:32

 学生時代から新聞の連載小説を読むのを楽しみにしてきた。当初は自宅で購読していた新聞に限っていたが、ある時期から、それにとどまらず、主要な全国紙の朝刊、夕刊と広めていった。もちろん、読み始めてついていけない小説はその時点で「お別れ」となったが、それでも常時5作品位は併行して読んでいたはすだ。こうしたことができるのは、図書館を利用したからだ。裁判官時代、地方の県庁所在地に勤務することが多かったが、だいたいにおいて図書館と裁判所は近接した位置にある。昼休みや、帰り道、ほぼ毎日のように通った。最初に読んだのはなにかと記憶をたどると、大岡昇平の「若草物語」にたどり着いた。調べてみると、朝日新聞で一九六一年(昭和三六年)六月から翌年三月末まで連載されている。私が中学三年生のときだ。同小説は、一五年後の一九七七年に「事件」と改題のうえ単行本として刊行され、裁判小説として話題になった。そのころ、私は裁判官になるなど夢にも思っていなかったが、いまにして思えば、なにがしかの影響はあったかもしれない。ちなみに、私の読んだ新聞連載小説のベストスリーは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」(産経新聞)、同じく「疾ぶが如く」(毎日新聞)、加賀乙彦「宣告」(朝日新聞)である。

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