弁護士 上出恭子の部屋

2010年01月

「ピルザタ」さんの国へ

2010/01/01 14:47:08

  「停電の夜に」という短編が代表作の一つで、ピューリッツァー賞等の著明な賞を獲得したインド系作家ジュンパラヒリという人の小説に、「ピルザタさんがきたころ」という話があります。インドからアメリカへ移住した両親を持つ小学生の女の子が主人公で、両親の友人であるピルサタさんが、パキスタンからの独立を求めて内線状態にあった当時の故国・東パキスタンに遺してきた家族を想う姿を見て、主人公が、「大切な人に思いを馳せる」ことを実感していく様子が非常にリアルに描かれています。幼い主人公の想いが読み度にじんわりと伝わって、これまでに何度となく、噛みしめるようにして読んでいます。
 そのピルザタさんのお国である、バングラディッシュにこの夏1週間ほど行ってきました。
 日本の半分くらいの面積に今では日本よりも多い1億数千人以上の人が住み、小学生時代の授業でも世界一の人口密度の高さは、首都ダッカについた数日で実感をさせられました。また、敬虔なイスラム教徒が多くを占め、おそらく、宗教的伝統と文化的習慣から、首都でも商店等で働いているのは9割方が男性でした。そのおかげで、私が道を歩けば、芸能人なみに注目を集め、日本ではなかなか経験できない体験でした。服装も大半の人が未だに伝統的な民族衣装風で、特に、成人した女性に至っては私が見た限りでは、9割方の人が伝統的な衣装でした。 
 南アジアの最貧国の一つで、外から眺めているだけでも多くの人々の暮らしは楽とはいいかねましたが、子供達はとても元気で、ダッカから離れた地方の遺跡見学の折には、再三、子供達から英語で声を掛けられ、挙げ句の果てに、小学校の授業の様子を見にお邪魔をしました(写真は、小学校で先生方と一緒に撮ってもらったものです)。その屈託のない笑顔を見て、この子らが成人するころには、もっと、この国が豊になっていればよいのにと願わずにはいられませんでした。 

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