弁護士 上出恭子の部屋

2009年01月

仕事場

2009/01/01 09:00:00

 今はなくなってしまったが、自宅の裏には祖父の時代に造られた町工場があった。郷里から大阪へ出て雑穀商の奉公人となった祖父は、独立して落花生等の煎り豆の製造業を始めた。祖父母、両親、叔母、そして家族同様に長年働いてくださった従業員の方、みんなで支えた実家の商いの場を、私たちは「工場」ではなく、「仕事場」と呼んでいた。
 私が知っているのは古くて少々くたびれた木造の「仕事場」だったが、「仕事場」という言葉同様暖かみのある場所だった。そこでは、家族や従業員の人が分け隔てなく、まさにともに仕事をする場であったように思う。
 そうでない「職場」での相談を受けることが少なくないなかで、時折、「仕事場」のことを思い描いている。

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