弁護士 上出恭子の部屋

2003年07月

いつかどこかで

2003/07/20 09:00:00

  通りを歩いていると、金髪の女性と栗色の髪をした男性とすれ違った。二人とも背の高い西洋人だった。お互いに目があってしばらくしていると、どちらからともなく、「久しぶりだね」といって、言葉を交わした。
   今はどうしているのかと尋ねると、女性が、「二人でストリートパフォーマンスのようなことをしながら、物を売っている」と答えた。すると、男性が、少し苦笑いをして、「これまでいろいろあったけれど、二人力を合わせてなんとかやっているよ。」と言った。
 「良かったね」と言おうとした瞬間、気づくと、自分はいつもの布団の中だった。
 光の中で見たはずの二人づれの顔は、目が覚めた今は思いだせないが、きっと、いつかどこかで出会ったんだろう。なにより、「これまでいろいろあったけれど、二人力を合わせてなんとかやっている」という心地のよい響きが、まだ、耳元に残っていた。
 ある朝のことである。

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