弁護士 蒲田豊彦の部屋

2014年01月

自動車任意保険の弁護士特約

2014/01/10 13:24:12

  交通事故、とりわけ人身事故となると、怪我の程度にもよりますが、その賠償額は高額になります。
 交通事故について被害者でも加害者でも、弁護士に依頼するときは民事着手金や、成功報酬金および、裁判を行うときは印紙・切手代を負担しなければなりません。
 これらについて、自動車の任意保険に加入する場合、付帯的に弁護士費用の特約保険に加入しておくと、弁護士費用(着手金や報酬金)を保険で支払ってくれます。訴訟する場合には、印紙代や郵券代といった実費の部分も、被害者の場合でも加害者の場合でも、保険で支払ってくれます。保障限度額は通常300万円です。
 しかも、約款にもよりますが、通常、加入している本人が交通事故にあったり起こしたりした場合だけでなく、一定の関係者が交通事故にあった場合でもこの保険を利用できます(例えば、父がその車に任意保険とともに弁護士保険を付けていれば、その妻や子などが他所で歩行していて事故にあったり、自転車に乗っていて事故にあうといった交通事故でも利用できます)。
 300万円を超える場合は、弁護士費用の一部を自分で負担しなければなりませんが、300万円までは弁護士費用などを支払ってくれますので、大いに助かります。
 通常、加害者から損害賠償金を支払ってもらうとき、その損害金の中から弁護士費用などを負担することになりますが、弁護士特約保険からそれらが支払われる場合は、当然のことながら、加害者から受け取る損害賠償金全額自分に確保することができます。
 弁護士特約の掛金は数千円ですので、もしものときのために、弁護士特約保険も契約されることをお勧めします。
 

二上山(にじょうざん)

2014/01/09 16:45:14

阿部野橋駅を出て近鉄南大阪線の古市の駅を過ぎてしばらくすると、右手の方に二つの山が見えてくる。

二上山である。

雄岳(517メートル)と、雌岳(474メートル)で二つ仲良く並んでいる。

飛鳥人が聖山と崇めた山で、大阪と奈良を分ける美しい稜線を持った山である。山の姿は奈良市内からも飛鳥からも眺められる。

登山口は南大阪線の二上山駅を起点とするコースと當麻(たいま)(でら)駅から登るコースの二つがある(ただし、近鉄南大阪線の側からのコース)。

春夏秋冬を通じていつ登っても楽しい山である。

二上山駅を起点とするコースは急登の部分もあるが、比較的ゆったりとして距離も短く、2時間から2時間半もあれば雄岳に到着する。

雄岳の頂上付近には大津皇子の墓がある。大津皇子は帝位へむけて草壁皇子の競争相手と目され、草壁皇子を帝位につけたい持統天皇により謀反(むほん)の罪で磐余(いわれ)の地で処刑される。

万葉集に

大津皇子の(かばね)を葛城の二上山に(磐余の訳語(おき)()から)移し、(はぶ)る時に大伯(おおくの)皇女(ひめみこ)(大津皇子の同母姉)の哀傷して作らす歌

うつそみの人なる(あれ)

明日よりは二上山を(いろせ)()

見む

とある(万葉集2巻165)。

雄岳から雌岳へは鞍部(あんぶ)の広場を行く。雌岳にも広場があり、冬期には山茶花の並木があり、紅葉もあり、眺望もいい。

雄岳と雌岳の間を下ると當麻寺がある。

當麻寺は真言・浄土兼宗の寺で、白鳳時代(7世紀後半から8世紀初頭)の當麻氏の創建であり、東塔と西塔の五重塔が現存する。弥勒仏座像など白鳳仏がまつられている。

中将姫伝説があり、藤原南家の中将姫が當麻寺にたどりつき、一夜にして蓮の糸で織りあげた當麻曼荼羅(まんだら)があり、これが當麻寺の本尊となっている(かつては弥勒仏が本尊であった)。

春分の日や秋分の日には太陽が雄岳と雌岳の間に沈み、神々しい風景が見られる。折口(おりぐち)信夫(しのぶ)はこの中将姫伝説と大津皇子と雄岳と雌岳の間に沈む太陽を題材に「死者の書」を書いている。古人の登場も多く、難しい小説であるが、一読に値する。

このように二上山は低い山ではあるが登って楽しい山である。

 

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