弁護士 蒲田豊彦の部屋

2007年08月

更衣(ころもがえ)

2007/08/01 09:00:00

 衣更えとも書くが、更衣は、俳句では夏の季語である。
 中学生や高校生のころ、初夏になると詰襟を脱ぎ、開襟シャツなどに着替えて学校に通ったものである。更衣をすると、身も心も軽やかになった。しかし、そのころは更衣などという言葉も知らず、ただ暑いから開襟シャツに着替えるといった感じだった。
 そもそも、更衣は、先にも述べたように冬から春にかけて着用していた衣類を、初夏のすがすがしい衣類に更えることをいうが、特に日が決まっているわけではない。
 学校などは6月1日を更衣の日と決めているところが多いようである。女学生たちが一斉に黒っぽいセーラー服から、白を基調としたセーラー服に着替えて登下校するさまを見ていると、いかにもすがすがしく、こちらまで軽快な気分になる。
 平安時代の公家は、4月に薄衣(袷)、5月に捻り襲(ねりがさね)、6月に単襲(ひとえがさね)、8月から9月にかけて生織(きおり)の衣や生織の綿入れ、10月から3月まで練絹(ねりぎぬ)を着用していた。江戸時代には、4月に袷、6月に単衣(ひとえ)、7月に帷子(かたびら)を着用する風習があった。源氏物語の葵の巻や明石の巻などにも更衣のことが書かれたりしている。
 源氏物語や平家物語を読むと、人物はいろいろな衣装を纏って登場してくる。「能と装束」と同じように「古典と装束」といった観点で纏めるのも面白いかもしれない。
 とまれ、現在では気候の変化に応じて自由に衣服を更えているが、夏らしい衣服になることは、気分も一新し、軽快な気分を味わうことができる。

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