弁護士 蒲田豊彦の部屋

2007年01月

妻に届いた手紙

2007/01/01 09:00:00

 妻あてに妻の最も親しくしていた友人から手紙が届いた。
 「前略   この度、長い旅に出ることとなりました。
 思い出をありがとうございました。
 どうぞお健やかに・・・。
         草々
   二〇〇六・吉日」
 妻は、この手紙を認めた友人について、手紙が届く二日前に亡くなったとの知らせを受けていた。
 私たちは、この手紙を読みながら決して長くはなかった彼女の生涯や、二人の子供を亡くするという逆縁に生きた彼女の人生に万感の思いを抱いた。
 彼女は文学が好きで、病気とたたかう娘と自分のことを、「私の娘は七〇センチ」という本に残して逝った。
 私は、私の人生の終焉に当たって、果たして友人に向かって「どうぞお健やかに」と言えるだろうかと自問した。
 私は彼女を直接には知らなかったが、妻から大切な友人として、よく彼女のことを訊いていた。
 いまは、彼女が迷うことなく白道を行ってくれることを祈るばかりである。

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