事務所ニュース「いずみ」

法律相談Q&A

仮登記の抹消と裁判

私はこのたび父が死亡し土地建物を相続し、その登記手続も完了しました。ところが登記簿謄本を見ますと昭和37年3月6日付けでAさん名義の代物弁清予約を原因とする所有権移転請求権仮登記がなされていることがわかりました。そういえば、たしか、父がAさんから100万円を借りたことがあるといっていました。私は右の仮登記を抹消してほしいと思い、Aさんを探したのですが、行方がわかりません。こんなときどのようにすればよいのでしょうか。

 代物弁済の予約を原因とする所有権移転請求権仮登記は金銭消費貸借関係があるような場合、それを担保するためになされる場合があります。このような場 合は、本来ならば不動産に抵当権設定登記がなされるのが普通です。しかし、その代わりに右のような仮登記がなされることがあります。その理由は仮登記は本 登記と比べ登記費用が圧倒的に安いからです。
 さて、あなたのご質問のケースのような場合、Aさんの住民票や戸籍謄本をあげてAさんが生存しているかどうか、あるいはAさんがどこに住んでいるかを 探さなければなりません。Aさんが見つかればAさんに対し金銭消費貸借契約にもとづく貸金返還請求権が消滅時効(10年で時効になります)で消滅している ことや弁済したことを理由に仮登記の抹消登記手続に必要な書類(権利証、印鑑証明書、実印を押した委任状)を交付してもらって下さい。もし、Aさんの所存 がわからないときはAさんに対し訴訟を提起し、訴状の公示送達の方法を経て判決をもらい、判決にもとづいて仮登記の抹消登記手続きをして下さい。
 また、調査の結果、Aさんが亡くなられていたときはAさんの相続人を探し、相続人全員を相手に訴訟を提起し、仮登記の抹消登記手続をしなければなりません。

弁護士 蒲田豊彦

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第3号(1996/5/25発行)より転載

ページの先頭へ戻る