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法律相談Q&A

借金返済に行き詰まったとき

私は十数年間、個人で紳士服の販売の仕事をしてきましたが、昨今の不況で売上げが伸びず、ついに行き詰まってしまい、途方に暮れています。負債の整理の方法として、任意整理と自己破産があると聞きましたが、どう遣うのでしょうか。また、自己破産をする場合の手続きや、その後の生活について教えて下さい。

 長引く不況の中で、業者やサラリーマンを問わず、借金が返せなくなり事業や生活に行き詰まる事例が激増しています。
 任意整理は、弁護士が代理人となって各債権者に整理の通知を出L、支払い可能な形に減額したり分割払いにしてもらうなどして、全部の業者と示談していく方法です。
 破産は、債務が膨れて支払不能になったとき(法人の場合は支払不能又は債務超過になったとき)に行われる裁判上の手続きで、(1)破産手続と(2)免責手続(個人の場合)の2段階に分れます。
 (1)の破産手続には、(a) 一定の財産がある場合に、破産宣告後に裁判所が破産管財人を選任して、債権調査と財産の換価・配当をするケース(管財事件)と、(b) 財産がほとんどない場合に、管財人を選ばず、破産宣告をすると同時に破産手続きが終了するケース(同時廃止事件)の2種類があります。
 破産手続後に残った負債の支払義務を免れるには、(2)の免責の申立てをする必要があります。ただし裁判所は、破産者が詐欺的な借り方をしたときなど、一定の場合には免責不許可とすることができるとされています(破産法366条の9)。
 破産すると、戸籍に載るとか選挙権がなくなるとかの誤った理解が見られますが、会社の取締役になれないなど一定の資格制限があるほかは、そのような制裁は全くありません。また、破産手続中も、自ら仕事をして生計を立てることができます。
 任意整理と自己破産のどちらの方法を選ぶかは、負債の金額や支払能力の程度、負債が膨れた経緯など、事案によって異なります。一人で思い詰めるのでなく、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士 岩城 穣

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第3号(1996/5/25発行)より転載

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