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法律相談Q&A

過労死は労災と認定されるか?

私の40代の友人で、証券会社の営業係長であったYさんが、自宅で睡眠中に脳梗塞を起こして突然亡くなりました。奥さんの話だと、バブル崩壊後の不景気の中で、業績向上のために毎日深夜までのサービス残業が続いていたうえ、なかなかノルマが達成できず悩んでいたようです。明らかに仕事による過労が原因ではないかと思いますが、労災認定はされないのでしょうか。

 仕事が原因で脳や心臓の病気が発症して突然亡くなる 「過労死」は、1988年ころから社会問題になり、現在毎年1万人以上が過労死していると言われて います。法律上、過労死を労災保険法により労災として認定することは可能ですが、労働省は現在の「働かせ過ぎ社会」を容認し、毎年500~700件の申請 に対し、労災認定がされるのは、年間わずか30件前後という状況です。
 しかし、世論の厳しい批判の前に、労働省は今年2月従来の認定基準をやや緩和し、また裁判では遺族側の勝訴が相次いでいます。そして今年7月、最高裁 は、労基署が労災と認めなかった場合、審査請求(異議申立て)をして3ケ月が過ぎれば、再審査請求をまたずに、直ちに労基署の不支給決定の取消しを求める 行政訴訟を起こせるという画期的な判断を下しました。
 Yさんの場合も、長時間・過密労働とノルマの重圧によって脳梗塞を発症した可能性がありますが、認定を勝ち取るには、発症前の労働の状況を詳しく明らかにする必要があります。大阪では弁護士や医師・労働組合でつくる「大阪過労死問題連絡会」や、過労死の遺族や家族でつくる「大阪過労死を考える家族の会」などが活動していますので、一度ご相談されるとよいと思います。?

弁護士 岩城 穣

あべの総合法律事務所ニュース いずみ創刊号(1995/8/10発行)より転載

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