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法律相談Q&A

父の相続放棄後の祖父の相続はできない?

 私は、平成10年に父が死亡した時に、父の債務を理由に相続放棄の手続をしました。
 その後、最近になって、父方の祖父が死亡しました。祖父には、父も含めてきょうだいが3人いるのですが、父の死亡の際に相続放棄をしている私には、何らの相続権もないのでしょうか?なお、父方の祖母は既に死亡しています。

 被相続人の死亡以前に被相続人の子が死亡している場合、その者の子がこれを代襲して相続人となります(代襲相続:民法887条)。この点、ご相談者の懸念は、父親の代わりに相続するのが代襲相続である以上、父親の相続について相続放棄をしていれば、既にその権利が失われているのではないかということだと思います。
 しかしながら、相続放棄を定める民法939条が、「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」と定めるとおり、相続放棄は、「その相続」について相続人にならないだけであって、それが別の相続に影響するものではありません。即ち、「父親の相続」については、初めから相続人となりませんが、新たに生じた「祖父の相続」に関しては、本来の相続人が死亡している以上、その者の子が代襲して相続するという帰結になります。
 従って、祖父の相続に関しては、遺言がない限り、きょうだい3人が3分の1宛の法定相続分で相続するところ、お父様はそれ以前に死亡していますから、ご相談者が唯一の子であれば、お父様の相続分(3分の1)を代襲することになります。

弁護士 中森俊久

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第44号(2018/8/1発行)より転載

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