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法律相談Q&A

「相続させる」旨の遺言について

 近くに住む母親が少し認知症気味になったので、5年間ほぼ毎日面倒を見てきたのですが、1年前夫が重病になってその看護に専念せざるを得なくなり、少し遠方に住む妹に介護を頼みました。妹も3日に1度程度実家を訪れてくれ、私の方は1ヶ月に1度程度様子を見に行っていました。ところが最近になって、母親は肺炎で亡くなりました。お葬式を済ませたあと、妹が「こんなのがある」といって母親の自筆の遺言を見せました。それによると、「財産すべてを妹に相続させる」とありました。妹が母の世話をしてくれたことは有り難いと思っていますが、母親は私にも「世話をしてくれて有り難う。ちゃんと遺言をしとくよ」といってくれていました。 遺産は、居住の土地建物と預貯金が1000万円ほどあります。どうすればいいでしょうか。

 実はよくあるケースなのです。高齢者の場合、複数の子どもさんに世話になりながら、最後に面倒を見てもらった娘さんや息子さん(事実上お嫁さんが世話したときなど)一人に「全部相続させる」という遺言を書いてしまうということがよくあるのです。  遺言が有効かどうか(要式が整っているかどうか、またお母さんに遺言能力があったかどうか)確かめることが必要ですし、妹さんが遺言の権利をそのとおり主張されるかどうかも重要です。さらに、当然ながら最低限、遺留分を主張できますが、減殺の意思表示をしないまま1年を経過しますと、時効で消滅するということもあり得ますので、とりあえずは、事務所に足を運んで、弁護士に法律相談をしていただいたら、と思います。

弁護士 森野俊彦

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第41号(2017/1/1発行)より転載

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