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法律相談Q&A

兄夫婦と暮らしたくない母土地・建物の相続どうなる?

「母の面倒をみることを条件として、自宅の土地、建物は兄が相続する」という亡父の遺言で、今まで兄夫婦が母と同居して生活をしてきました。ところが、最近、母と兄夫婦との折り合いが悪く、母が兄夫婦と一緒に暮らしたくないと言っています。私としても、母と兄夫婦の様子を見ていて、兄夫婦が母を大切にしているとは思えません。土地、建物は既に兄名義になっています。どうしたらよいでしょうか?

 遺言の中で財産を相続させる代わりに、相続を受ける人に一定の義務を課すことは、「負担付き遺贈」として認められています。(民法1002条1項)
 義務(負担)が付いていますので、遺贈を受けることを拒否することは自由です。しかし、遺贈を受ける場合は、義務を免れることはできません。
 仮に、遺贈を受けた人が義務を果たさない場合、遺言をした人の相続人が家庭裁判所に遺贈の取消を求める請求をすることができます。
 ですから、このケースでも、土地・建物の遺贈を受けたお兄さんには、お母さんの面倒をみる義務があります(なお、親子ですから、そもそも互いの能力等に見合った扶養義務があります)。
 とはいえ、『面倒をみる』方法は色々あります。お父さんが遺言を作成するときに念頭に置いていた内容、お母さんが現に求めている内容、お兄さんが現状において可能な内容とがそれぞれ食い違っている可能性もあります。
 お父さんが遺言をした意図は、ご自身が亡くなった後もお母さんが困らないようにという配慮からでしょう。同居することだけが『面倒をみる』ことではありません。生活費の援助をすることなども一つの方法です。
まずは、お兄さん、お母さんとお母さんが希望する内容やお兄さんができることをよく話し合うことが必要です。話し合いが難しければ、家庭裁判所に親族間の紛争について円満に調整することを目的とする調停を申し立てることが考えられます。
 遺言があっても、すんなりといかないこともあります。お困りのことがありましたら、どうぞお気軽にご相談下さい。

弁護士 和田 香

あべの総合法律事務所ニュース より転載

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