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法律相談Q&A

死亡退職金・借地権の相続

(1) 夫は会社に勤めていましたが、退職前に死亡しました。会社は退職金を支払ってくれます。夫の相続人は妻である私と子供が二人です。誰が退職金を受取れるのでしょうか。
 (2) また、借地上の建物はどのようになりますか。

 (1)は死亡退職金として遺族の誰に支給するかが、会社の就業規則や退職金規定に定められている場合が多いようです。その場合、判例は受給権者(多くの場合妻)が固有の権利として受取ることができ、相続財産には含まれないといっています。
 しかし、死亡退職金は遺族の生活保障的なものあるいは、賃金の後払的なものと考えると、判例の考え方には疑問があります。相続財産として妻と子供二人が相続するということも考えられます。
 就業規則などで受給権者が定められていないときでも、判例は(最高裁第三小法廷昭和62年3月3日判決)、妻個人に死亡退職金が支給されるのであって、相続財産ではないとしていますが、相続財産として妻と子供が相続するという考え方もあります。
 (2)のケースでは、建物は妻なり子が自由に相続できます。
 自由に相続できるという意味は、建物を相続すれば、建物が建っている土地の借地権も建物の相続にしたがって、建物と一緒に相続することになり、借地権の移転となりますが、その移転については、通常必要な地主さんの承諾はいらないということです。借地権の譲渡(移転)のときは、地主の承諾が必要で、承諾料を支払わなければならないことになりますが、相続の場合は、承諾料はいりません。
 また、妻と子供二人の三人で建物を相続(共有)する場合も、三人が借地権を共同で引き継ぐことになります。もちろんこの場合も、地主の承諾はいりませんし、承諾料を支払う必要もありません。

弁護士 蒲田豊彦

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第26号(2009/8/1発行)より転載

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