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法律相談Q&A

執行猶予中に交通事故を起こした場合、執行猶予は取り消されるのか?

私はマイカーを運転していて、歩行者を跳ねて怪我を負わせてしまいました。交通事故の原因は私が前方をよく見ていなかったからです。私は事故のとき、別の刑事事件で執行猶予中の身です。私の刑事責任はどうなるでしょうか。

 執行猶予の期間中に更に罪を犯して、禁固以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言い渡しがないときは、執行猶予は必然的に取り消されます(刑法26条1号)。
 交通事故を起こした場合、軽微な事案の場合は行政罰だけで処理されると思います(過料や免停)。しかし、誰かを巻き込んで怪我を負わせてしまうと刑事犯罪(業務上過失致傷)となり、法律上、5年以下の懲役あるいは50万円以下の罰金に処せられる(刑法211条)可能性があります。
 したがって、執行猶予期間中に交通事故を起こし、誰かに怪我を負わせた場合、事故態様ないし怪我の状況等から懲役刑に処せられると、執行猶予は必然的に取り消されますし、仮に罰金刑だったとしても、罰金刑に処せられたことが執行猶予の裁量的取消事由となっていますので(刑法26条の2)、裁判所が執行猶予を取り消す場合もあります。
 ですので、執行猶予中には、自動車の運転には万全の注意が必要です。なお、仮に執行猶予中に人身事故を起こしても、早期に適切な対応をして、被害者との間で示談ができれば、不起訴処分になる可能性がないわけでもありません。また、起訴されても罰金刑として略式起訴で済めば、先にも述べましたように、執行猶予が取り消されない可能性が高くなります。執行猶予中に交通事故を起こし、業務上過失傷害罪などに問われているときは、弁護士に相談することをお薦めします。

弁護士 中森俊久

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第18号(2005/1/1発行)より転載

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