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法律相談Q&A

高校生が起こした交通事故 親に治療費等請求できるか

交通事故に遭ってしまったのですが、加害者が高校生です。治療費等請求したいのですが、加害者本人にはお金がなさそうで、きちんと支払ってもらえるか心配です。親に対し請求できないのでしょうか。

 未成年者に責任能力(行為の結果何らかの責任が生ずることを判断する能力)があるときは、その未成年者が賠償責任を負うことになります。事案の内容にもよりますが、判例は12歳前後を基準としており、高校生の場合は、責任能力ありと判断されるケースが多いでしょう。
 しかし、その場合でも、(1)加害車両の所有者が父親など親権者であれば、人身損害については、基本的には所有者である親に対して「運行供用者責任」として損害賠償を請求できます(自賠法3条)。
 また、(2)加害車両が未成年者自身の名義でも、親権者に「運行供用者責任」を追及できる場合があります。(1)親子が同居しているか、(2)車両の購入費用は誰が負担したか、(3)車両は主に誰が使用しているか、(4)保険の加入名義は誰になっているか、などの様々な事情を総合的に考慮して決められます。
 さらに、(3)加害車両が親の所有でもなく親の「運行供用者責任」が認めにくい場合でも、親の監督義務者としての責任(民法709条に基づく一般の不法行為責任)が問える場合もあります。(1)親が相当の監督をすれば防止できたこと、(2)監督が現実に可能であったこと、(3)監督せず放置しておけば加害行為が発生する可能性が高いことなどの要件が満たされるかがポイントとなります。
 このように、親に対し請求できる可能性は十分考えられますので、諦めず、事情を詳しく調べてみることをおすすめします。

弁護士 佐藤真奈美

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第16号(2004/1/1発行)より転載

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