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法律相談Q&A

犬の飼主への損害賠償請求

私が公園を散歩していたところ、手綱をはずされた大きな犬が近づいて来て、「ウー」と私を攻撃しそうになりました。私はびっくりしてあわてて逃げようとして転倒し、大腿頸部を骨折し、治療のため、入院・通院を余儀なくされました。
 私は飼主に損害を請求できるでしょうか。
 また、飼主は不動産を持っていますが、不動産を差押えることができるでしょうか。

 あなたは飼主に不法行為に基づく損害賠償の請求ができます。もし、飼主の支払い能力に不安があるときは飼主の不動産を仮差押えするとよいと思います。
 民法718条は動物の占有者(飼主など)はその動物が他人に加えた損害を賠償する責任があるとし、ただ占有者が動物の種類や性質に従って相当の注意をして保管していたときは責任がないと定めています。
 ご質問のケースでは、飼主は大型犬の首輪から手綱を放して自由にさせていたのですから、あなたが蒙った損害をすべて賠償する責任があると思います。
 損害は事故と相当因果関係のあるもので、通常(1)治療費、(2)入院中に必要だった経費、(3)付添看護料(但し、医師が付添看護を必要と認めた場合)、(4)診断書作成費用、(5)通院交通費(タクシー代などは医師が必要と認めた場合)、(6)休業損害、(7)入・通院慰謝料、後遺障害が残った時は(8)逸失利益、(9)後遺障害についての慰謝料、(10)弁護士に依頼したときは弁護士費用などが損害と考えられます。あなたの損害が、いくらになるかは弁護士と相談して算定してもらって下さい。
 次に飼主の支払い能力に不安があるときは飼主の財産である不動産を仮差押えしておくとよいでしょう。
 仮差押えは請求債権(あなたの場合は損害賠償請求権)があることと、保全の必要性(飼主に借金が多くて将来裁判で勝っても支払ってもらえるかどうか不安な時)が要件ですが、あたなのケースでは飼主の支払い能力に不安があるということなので、仮差押えはできると思います。
 仮差押えをしておくと飼主が当該不動産を売却など処分をしても、損害賠償を請求して勝訴判決を得て、飼主が任意に支払わないときは、その不動産を競売して損害賠償金を回収することができます。

弁護士 蒲田豊彦

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第12号(2001/9/1発行)より転載

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