事務所ニュース「いずみ」

法律相談Q&A

マルチ商法とは?

高校時代の友人から、「化粧品のネットワークビジネスに加わらない? 最初に自分が1セットを20万円で買うの。それから友だちを誘って、3人に入会してもらえば元が取れて、5人に入会してもらえば、すぐに月収数十万円になるわよ」と誘われました。本当にそんなうまい話があるのでしょうか?
一体、どうしたらいいのでしょうか。

 これは、「マルチ商法」や「マルチまがい商法」といわれるものです。まず自分が会員となって、友人を勧誘して入会させると、新規入会者は自分の下につく会員となります。その会員が新規入会者を獲得すると、さらにその下につく会員ができます。自分の下にできた会員の系列が基準を超えると上位のランクに昇格し、報酬の割合が増えます。
 扱う商品としては、健康食品や浄水器、布団、アクセサリーなど、相場があってないようなものが一般です。
 この商法のミソは、このシステムを始めた人や、最初の方に入会した人は儲かることがあっても、「理論上、必ず行き詰まることになっている」ということです。つまり、例えば1人が会員を5人獲得していくと、1人→5人→25人→125人→625人→3125人→1万5625人→7万8125人というようにネズミ算式に増えていき、13代目で会員数は2億4414万0625人となり、日本の人口を超えてしまうのです。実際は入会するのはごく一部の人ですから、せいぜい5~7代くらいで行き詰まってしまいます。そうすると、最後あたりの人は、高い商品を買わされるだけで、会員を獲得することができないまま終わってしまうことになるのです。儲かる人がいる分商品は割高であることは明らかです。
 商品の売買という形でなく、金銭だけを上納したり配分を受ける場合は「ネズミ講」と呼ばれ、「無限連鎖講の防止に関する法律」で厳しく禁止されています。かつて「天下一家の会」というネズミ講が摘発されたのは有名です。商品の売買の形をとっても、その価格などによっては、限りなくネズミ講に近くなります。その意味で、この商法は違法か合法かの線引きが難しいといえます。
 いずれにせよ、自分が被害者になるか、それが嫌なら親しい友人を被害者にしなければならないことから、大切な人間関係を破壊してしまうことになりかねません。世の中にそんなうまい話があるはずはない、と考えてまず間違いないでしょう。

弁護士 岩城 穣

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第12号(2001/9/1発行)より転載

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