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欠陥住宅被害の根絶をめざして

一 この「いずみ」第3号(96年5月発行)に、「消費者問題としての欠陥住宅被害」という一文を書いた。当時は、私が所属している日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の土地住宅部会は、初めての「欠陥住宅110番」の実施(96年3月)、アメリカの住宅検査制度の視察(同年3月~4月)など、本格的な活動を開始したばかりであった。

二 その後、私たちの運動は社会的に大きな関心と注目を呼び、この1年余りの間に大きな前進と展開を見せた。私たち土地住宅部会の問題提起のために、私が投稿した「検査制度改善で欠陥住宅防止を」という論稿が、96年5月14日の朝日新聞の「論壇」に掲載された。その反響の大きさは、私自身が想像した以上であった。
 96年5月18日に東京の弁護士会館で行われた日弁連主催のシンポジウム「欠陥住宅問題を考える」は、約200名の参加を得て大成功を納めた。

三 私たちは、この運動を弁護士だけの取り組みにしてはならないと考え、多くの建築士や学者、消費者団体などと一緒に力を合わせて、96年12月、神戸ポートピアホテルにおいて「欠陥住宅被害全国連絡協議会」が結成された。これは、幅広い人々が欠陥住宅被害をなくすという一点で協力共同する画期的な運動団体である。
 その後この「全国協議会」は、今年3月には仙台で、また7月には福岡で、それぞれ第2回、第3回大会とシンポジウムを開き、なぜ欠陥住宅が発生するのか、それをなくすためにはどうしたらよいのかについて具体的な議論を積み重ねてきた。

四 またその一方で、私たちは欠陥住宅問題についてのこれまでの活動を本にまとめることにし、96年12月「いま、日本の住宅が危ない!」という本を発刊し、更に弁護士や建築士などの多くの専門家にこの問題についての基本的知識やノウハウを盛り込んだ手引書として、本年8月「欠陥住宅被害救済の手引」という本を発刊した。全国に散らばった部会のメンバーがそれぞれ担当した原稿を書き、それを何度も校正して発行にこぎつけるというのは決して楽 なことではなかったが、とても充実した楽しい活動であり、それが書籍という形で出来上がった時の感激は本当に大きい。

五 今年6月13、14日には、第2回「欠陥住宅110番」の電話相談を行った。今回は全国で1000件以上(前回は702件)、大阪でも164件(前回は65件)もの電話が殺到し、この問題の深刻さがいっそう明らかになった。今回はこれらの相談者に対し、「個別相談会」も行う予定である。

六 前記の「欠陥住宅被害全国連絡協議会」の結成後、私たちはこの1月から、関西の地域組織である「欠陥住宅被害関西連絡協議会」(仮称)を作ろうと、関西地域の弁護士や建築士などの皆さんと一緒に、準備を続けている。この10月25日には、結成総会と記念シンポジウムを梅田の阪急グランドビルで行う予定である。一生に一度あるかないかの何千万円もの買い物である住宅に欠陥があるなどという悲惨な被害をなくすために、今後も微力ながら力を尽くしていきたいと思う。

 ※ なお、「いま、日本の住宅が危ない!」、「欠陥住宅被害救済の手引」は、当事務所でも取り扱っていますので、ご希望の方はお申し出下さい。

弁護士 岩城 穣

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第6号(1997/9/10発行)より転載

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