事務所ニュース「いずみ」

憲法再発見

第12回 憲法9条

 「日本が世界に誇れるもの」と聞かれ思いつくものは、今の私にとっては和食と憲法9条です。ですので、このうちのどちらかが無くなることは、私にとって片腕をもがれることに等しいのですが、ここ数年、そのおそれが日増しに高まっていると感じています。
 改めて、9条を読んでみます。

(1) 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
(2) 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 この9条を「誇り」と感じる機会は度々ありますが、最近では、9月18日に中之島公会堂で行われた九条の会( http://www.9-jo.jp/)講演会のときに痛感しました。メモは残しておらず記憶でしかないのですが、講演者の澤地久枝さんは、映画「父と暮らせば」の主人公を引き合いに出しながら、戦争体験者はみんな自分が生き残ったことに負い目を感じながら生きている、戦争はいや、平和が一番だと思った時にできたのがこの憲法なんだという趣旨のことを仰しゃっていました。また、原爆症認定訴訟の原告Fさんのお話しを伺ったときにも痛感しました。Fさんは、被爆による影響で、右眼が全く見えなくなり、左眼も白内障のため見えにくくなっています。Fさんは、「何より目を返してほしい。(最近の情勢に触れて)自衛隊を派遣して、よけい泣く人つくらなくていいと思う。」と仰しゃっていました。
 憲法9条は、このような多くの人たちの思いを代弁しているものだと思うのです。そして、この思いは、普遍的なもののはずです。「時代にあわない」「押しつけられた」という理由で変えられてしまうものでは、ないはずです。
 上述した9月18日の講演会では、会場に入りきらない程の人が訪れ、私も多くの人と一緒に地べたに座って講演を聴きました。聴衆には何とも言えない連帯感があり、聴きながら、9条を誇りと思っている人は私の想像が及ばないくらいたくさんいらっしゃるんだろうと、思いを馳せました。そのような人たちと一緒に九条を守っていきたい、そのために何ができるか、考えていきたいと思います。

弁護士 佐藤真奈美

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第18号(2005/1/1発行)より転載

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