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憲法再発見

第7回 憲法14条1項 法の下の平等

日本国憲法第14条1項
 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。

 平等権はキリスト教思想の「神の前に平等」に源を発し「自由」の原理とともに近代自由主義国家を誕生させる原動力となった。
 「すべての人は平等に造られ、各々造物主によって、一定不可譲の権利を付与されており、これらの権利には、生命、自由および幸福の追求が含められる」(1776年アメリカ独立宣言)「人は出生および生存において自由であり、かつ権利において平等である」「すべての市民は法律の目から平等である」(1789年フランス人権宣言)と高らかに謳われている。
 このように平等の原理は自由の原理とともに近代諸国の憲法の不可欠な要素となっている。
 わが国の憲法も様々な自由権とともに法の下の平等を定め、このような自由と平等こそが国家の権力から個人を解放し、人間の尊厳を確保することに資するものとしている。
 しかし、このような形式的、消極的な平等及び自由は経済面で自由競争経済のもとで、富の偏在や多くの社会的、経済的弱者を噴出させ、その結果として人間の尊厳の確保は遠のき、事実上の不平等、不自由を招来した。
 そこで、平等及び自由を国家の権力からではなく、生存に対するものとし、一方で「財産権の自由」などといった経済的自由を制限し、他方で生存権的基本権を保障することによって実質的、積極的な平等及び自由の実現を目指すのである。
 このように、現行憲法は人間の尊厳という立場から「法の下の平等」を定め、さらに、「家族生活における個人の平等」(24条)、「選挙における平等」(15条3項)、「教育を受ける機会の平等」(26条)を定めて、平等原理ないしは平等権を個別に具体化しているのである。
 私たちは憲法の諸権利が実現するよう不断の努力をしなければならないと思う。
 〔松島諄吉他編「憲法概説」(晃洋書房)を参考にした〕

弁護士 蒲田豊彦

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第13号(2002/6/1発行)より転載

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