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弁護士活動日誌

原爆症認定集団訴訟、 大阪高裁でも原告勝訴・確定

1 二〇〇八年五月三〇日、大阪高裁で、原爆症認定集団訴訟について九名の原告全員の原爆症認定申請却下処分を取り消した原判決を維持する判決が言い渡された。二〇〇六年五月一二日に言い渡された全員勝訴の地裁判決(いずみ第二〇号「オアシス」)から約二年、高裁でも「九名全員勝訴」となったのである。

2 原爆症認定集団訴訟では、大阪地裁判決以降、国が連敗し続けていた。そのような中、原爆症認定についての新基準が出され、今年の四月から、従来は認定されていなかった被爆者についても「積極認定」されてきていた。しかし、新基準は、認定の対象になる疾病が限られているといった点で極めて不十分なもので、弁護団は、その再改訂を強く求めてきていた。
 大阪高裁判決は、新基準では積極認定の対象となっていない疾病についても放射線起因性を認めた。つまり、新基準も不十分であると、判断されたのである。

3 大阪高裁判決について、国は上告せず、九名全員の勝訴が確定した。ところが、である。国は、上告断念に際し、今回の高裁判決は個別の案件を総合的に審査する際の資料としたい、他の裁判所で争われているケースについては他の高裁の判断を仰ぐ必要があると考えている、と述べた。つまり、新基準を使い回す、係属中の訴訟については争い続ける、ということである。
 しかし、高裁の判決が出るまで、どれだけの時間がかかるか。大阪高裁判決で勝訴した原告のうち三名は、大阪高裁判決を待たずに亡くなった。他の地域の原告も、どんどん亡くなっている。争い続けるという国の態度は、被爆者が死に絶えるのを待っているとしか思えない。大阪高裁判決を真摯に受け止め、一刻も早く被爆者の全面救済を図れと、声を大にして言いたい

弁護士 佐藤真奈美

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第24号(2008/7/1発行)より転載

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