事務所ニュース「いずみ」

弁護士活動日誌

悪徳探偵の問題

 探偵者・興信所などの民間調査業には、現在公的な資格がなく、それを取り締まるための法律もありません。日本で唯一、大阪府で条例が制定され(大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例:昭和60年3月成立、同年10月施行)届出制となっているものの、同条例も、部落差別につながる調査を防止し、部落問題について啓蒙することに主眼を置いたものであって、本人確認が必要な以外に届出要件はありません。
 そのような状況の中、現在、調査業者と消費者との間で、契約に関するトラブルが問題となっており、被害申告も増加する傾向にあります。具体的には、① まったく調査をしていなかったり、または十分な調査をしないにもかかわらず、調査料金を請求する。②始めは安い金額を提示しておき、追加料金(フィルム代、現像費、報告書作成費、機材使用費、深夜割増、盗聴器取り付け費用の名目等)と称して莫大な金額を請求する。③そもそも費用体系が不透明で、思いがけない高額な費用を請求する。その内容は様々です。
 自主規制にも限界があり、社会的にも、調査業に対する法的規制を求める声が高まるなか、本年(2004年)11月、私も含めて弁護士有志で研究会(悪徳探偵研究会)を結成し、これらトラブルを法的問題として取り扱うことが出来ないか検討していくことになりました。12月4日(土)には、「悪徳探偵 110番」を実施し、電話による消費者からの相談を受け付け、希望者には後日個別の相談会も行いました。悪質業者の横暴ぶりは凄まじく、研究会としては、法的対処も含めて、今後さらに活動していく予定です。
 浮気調査・行方不明調査等、非常にプライベートな問題を扱う業種であるにもかかわらず、資格・規制がない現状であれば、消費者の弱みにつけ込んで、暴利をむさぼる調査業者が出てきてもおかしくありません。泣き寝入りする消費者、さらには、良心的な調査業者のためにも、悪質業者の実態を把握し、広く社会に伝えることが出来ればと思います。

弁護士 中森俊久

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第18号(2005/1/1発行)より転載

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