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弁護士活動日誌

二見さん 現職復帰を勝ち取る

 中途で視覚障害(視神経炎で両眼とも0.04)になったことを理由に関西電力から解雇された二見徳雄さんは、平成9年2月、大阪地方裁判所に地位確認などを求めて訴訟を起こしていたが、平成12年5月16日付けの裁判所の「調停に代わる決定」で、6月1日に原職復帰した。現在、二見さんは視力障害を補う弱視者用機器を使いながら以前の職場で原職である設計業務を担当して働いている。
 裁判は証人調べが終わった段階で、裁判長の勧めで調停に付された。この調停手続のなかで、裁判所の提案で3ヶ月ほど「試用」として二見さんに関電で実際に補助機器などを使って仕事をしてもらった。その結果、裁判所は「器具を使えば業務は可能」と見て、調停で不調が続いたことから、民事調停法に基づいて二見さんの原職復帰や、二見さんにやってもらう仕事の内容などを柱とする「調停に代わる決定」を出した。
 二見事件は人間の尊厳とりわけ障害者が自ら積極的に働く権利を求め、使用者に対し、その尊厳にふさわしい処遇をもとめて立ち上がった歴史的な憲法訴訟であるとの位置付けのもとで闘われた(本ニュース第5号、岩城穣弁護士「障害者になったら解雇は当然?」参照)。
 二見事件は障害者の人たちはもちろん、全国的にも注目され、支援の輪は大きく広がっていった。
 そのような運動や支援のなかで、二見さんが裁判を通じて原職復帰を果たしたことは全国的にも珍しく大きな成果であり、障害者の皆さんに大きな励ましと勇気、そして生きていく力を与えるものである。
 私はこのような歴史的な裁判に参加できたことをうれしく思っている。 (なお、弁護団は当事務所の岩城弁護士と私のほか計7名であった)

弁護士 蒲田豊彦

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第11号(2000/9/10発行)より転載

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