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弁護士活動日誌

マンションの明け渡し請求

 A夫さんは大阪市内にマンションを所有し賃貸業を営んでいます。
 A夫さんはB女にマンションの一室を賃貸しましたが、B女が家財道具を置いたまま行方不明となり、C男が内縁の夫と称してその一室で生活し、B女の名義で数度賃料を振り込んできていました。しかし、A男さんはC男に賃貸した覚えはないのでマンションを明け渡してほしいというのです。
 そこで、私はA男さんの代理人としてB女に対して賃料不払いを理由に裁判所を通じて公示催告の形で賃貸借契約を解除し(通常ならば内容証明〒で契約を解除すべきところを、相手方が居所不明の場合はこのような方法で解除の意思表示が到達したものとして取り扱うのです)、その後、B女とC男を被告として明け渡しの裁判を提起しました。
 C男との間では裁判上の和解で一定の期限を猶予して明け渡してもらうことで合意し、B女との間は訴状の公示送達(B女が行方不明のため、裁判所の掲示板に訴状や呼出状を公示することによって訴状や呼出状が送達されたとみなす制度)を経て、原告本人尋問で契約の解除の事実を立証して勝訴判決を得ました。
 C男が和解条項に反して明け渡し猶予期間を過ぎても任意に明け渡しをしませんでしたので、AさんはB女C男を相手方として建物明け渡しの強制執行をしました。この場合、家財道具などは判決による賃料支払命令部分で動産の強制執行手続を執って競売してしまうことで処理する場合が多いようです。
 このように、賃貸した相手方が行方不明になった場合、家主が荷物を勝手に持ち出すことは自力救済として法が認めるところではありませんので、きちんと法的手続を執ることが必要です。

弁護士 蒲田豊彦

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第2号(1996/1/1発行)より転載

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