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寄稿

本番より面白い?「おはようパーソナリティ 道上洋三です」の 打ち合わせ現場

 放送作家をしていると人に言うと、「ネタ探し、大変でしょ?」とよく言われますが、七年前から私が参加しているABCラジオの「おはようパーソナリティ道上洋三です」(今年、放送42年目に突入しました)は生身の道上さん自身が「ネタ」そのものです。
 たとえば、阪神タイガースに対する有名な「ぼやき」。これこそ、生身の道上さん自身が「ネタ」となり、生み出されていくものなのです。
 道上さんは毎朝五時にやってきて、打ち合わせ用の大テーブルにつき、朝刊各紙、スポーツ紙各紙に目を通します。このときスタッフはスポーツ面を読み、「昨日、打てませんでしたねー。もう、●●の四番、無理じゃないですか?」などつぶやきます。すると、すでにおそらく前日からスイッチの入っている道上さんは「ここは打順の問題じゃないんだよ。●●を下ろすかどうかの局面ですよ。※△×※●!!(書けません)」。
 あるいは、スタッフが連敗を悲観すると、道上さんは「交流戦は貯金1で入ったんですよ。連敗したからって、何を悲観することがあるの。それだったらタイガースファンできない!!」と、底知れぬタイガース愛を見せることもあります。
 交流戦が終わってカープに三連敗したときは、さすがに「今シーズン、終わった。でも応援するよ」と寂しそうにしていました。
 このようにスタッフは番組前から道上さんの「ぼやき」を楽しみます。そのおもしろさは、道上少年がタイガースの実況をラジオで聞いていた七十年前からのタイガース愛と、タイガースの膨大な知識と、数々の名選手との交流によって生まれた野球観に裏打ちされたもの。そして、そこには道上さんのタイガースへの愛と哀しみが常に込められているのです。   
 阪神打線に貧打が続いたときは、ザ・ブルーハーツの「リンダリンダ」に乗せて、「貧打貧打!!」と熱唱したこともありました。番組で道上さんが縦横無尽に駆け巡る。生身の道上さん自身が「ネタ」というのはそういうことなのです。
 そんな「おはパソ」での私の仕事は、道上さんに「素材」を提案し、「今日は何が起るのか」とワクワクすることです。
 生身で突っ走って42年目。道上さんは7月9日から8月31日まで良性の髄膜腫の治療のため、休養し、9月から元気に復帰します。療養中のことも「ネタ」にすることでしょう。

奥村 康治さん 放送作家

奥村 康治さん 放送作家氏のご紹介

 今回の寄稿は、テレビ、ラジオの番組の企画構成をする放送作家の奥村康治さんにお願いしました。奥村さんとは、上出、和田が過労死やB型肝炎訴訟について、奥村さんが構成をされているラジオ番組「おはようパーソナリティ道上洋三です」に出させてもらって以来、親しくさせていただいています。
 放送作家さんって、普段お会いすることもなくて、どんなお仕事か気になりますよね。私も奥村さんとお会いして初めて知ったのですが、例えば「過労死問題」とか「B型肝炎訴訟の相談会」など番組で取り上げる企画を提案し、それに関係するゲストを呼んでインタビューして話を聞くなど番組の構成をするお仕事なのだそうです。
 さて、道上さんの上記ラジオ番組ですが、スタジオに行くと、機械がたくさん並んだ部屋の奥にガラスで仕切られた収録の部屋があり、そこで道上さんとアシスタントの方が番組を進行されていました。大きなマイクの先に顔の見えぬリスナーがいると思うと生きた心地がしなかった私、機械の部屋からガラス越しにスタッフの皆さんが「うん、うん」と大きく相槌を打ったり、道上さんの冗談に笑ったり、声は聞こえませんが励ましてくれているのを見て、みんなでお話ししているような気分になり、気持ちがほぐれるのを感じました。実際にラジオから聞こえるのは収録室の声だけですが、ほんとうはスタッフのみなさんの声もラジオに乗って届いているのかもしれません。

弁護士 和田香

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第44号(2018/8/1発行)より転載

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