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寄稿

過労死のない社会をめざして  かけがえのない大切な居場所です

1.大阪過労死を考える家族の会は1989年に結成され、会員は西日本全体に亘り遺家族が約80名、弁護士、支援者が約40名登録し、同じ悲劇を繰り返さないために過労死のない社会をめざして活動しています。私たちはあべの総合法律事務所を、岩城先生、上出先生をはじめとする皆さまのご厚意により、いつでも集える活動拠点にさせていただいています。

 月に一度の定例会は、労災申請や裁判をしている人の情報交換をしたり、心の迷いや葛藤など普通の人には言えない悩みを打ち明けたり、それぞれの経験をもとに助言を交わすなど励まし合って支え合っています。

  しかし、過労死は減るどころか増え続けており、毎回のように新しい相談者が現われることで働く人の労働環境は悪化の一途を辿っていることを思い知らされます。

2.過労死をなくしたい思いから、2011年11月、「ストップ!過労死」過労死防止基本法制定を求める100万人署名に参加し街頭宣伝行動を始めました。岩城先生は全国に先駆け、いち早く人気キャラクター“カエル君”をネットで取り寄せられ、若手弁護士がかぶる「早くおうちにカエル君」の登場は、重いテーマを和らげてくれるキァラクターで、どこへ行ってもお子さまの人気者で盛り上がりました。  

私たちもマイクを握り過労死は他人事ではなく誰にでも起こることを訴え署名協力を呼びかけました。中には、「うちの子も過労死した」と話す泣き寝入りされた方や、「息子が心配」「自分が過労死しそうだ」と深刻に話す方々が「この法律は必要」と言ってくださり、私たちも希望に輝きました。明日にも斃れそうな人を救いたい。一日も早い「過労死防止法」制定に思いを馳せ、活動に励みました。

3.6月20日、長年の活動が実を結んで、悲願の「過労死防止法」がついに成立しました。失意のどん底で辿り着いたあべの総合法律事務所で、課題を見つけ動き出した目標が実現し、苦労を分け合った仲間同士で、喜びを分かち合っています。家族の会にとってあべの総合法律事務所は、ひとりひとりが自分らしく生きられるように、遺族が元気になれる、かけがえのない大切な居場所なのです。

全国過労死を考える家族の会 代表世話人 寺西 笑子

全国過労死を考える家族の会 代表世話人 寺西 笑子氏のご紹介

17年間をあべの総合と共に歩んできた寺西さん
寺西笑子さんは、1996年、飲食店の店長をされていたご主人を過労自殺で亡くされ、悩み苦しんだ後に労災申請、さらには民事訴訟を決意し、10年がかりで勝利されました。私は「過労死110番」で寺西さんからの電話相談をお聴きし、弁護団の一人として事件解決まで関わらせていただきました。
 2008年から全国過労死家族の会の代表になられ、2010年から本格的に始まった「過労死防止基本法」制定の取り組みでは、他の家族会のメンバーと共に、国会議員の方々の心を揺さぶる働きかけを行いました。5月24日に衆議院、6月19日に参議院のそれぞれ厚生労働委員会で行った参考人としての意見陳述は、聴く人の胸を打つものでした。
 もう寺西さんとは、17年ものお付き合いになりますが、最近の寺西さんは、ますます磨きがかかり、「神々しさ」まで感じるのは、私だけでしょうか。
 制定された「過労死防止法」を実効性あるものにし、現実に日本から過労死をなくしていくよう、これからも力を合わせていきたいと思います。

弁護士 岩城 穣

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第36号(2014/8/1発行)より転載

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