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寄稿

頼りがいのある「頼もしい力持ち」

 大阪に過労死問題連絡会という組織があります。全国にも、88年の「過労死110番」の運動をきっかけに、過労死弁護団をはじめとして幾つもの同様な組織が生まれましたが、この会は誕生が1981年とあって、その中でも全国一の長い歴史を誇っています。職場での仕事が原因で病に傷つき倒れた人たちの救済と、そんな不幸な事態を出さないための職場づくりを、と労働者を中心に弁護士・医師らが今日まで力を合わせて頑張ってきました。先日もこの会で過労死110番を行いましたが、大阪だけでも37件の相談が寄せられました。
 いまどこの職場でも、「不景気」を抜け出すための錦の御旗としてリストラを掲げ、首切り配転や賃下げなどが嘗てない規模で仮借なく進められています。その結果、そこで働く人たちにとっては労働条件は悪くなり、過労死や過労からの自殺発生の可能性は減少するどころかむしろ増えているようにみえます。そんなときだから、過労死連絡会の責任はますます重くなっているといわねばなりません。
 こんな連絡会を縁の下から、黙々と支え続けている「頼もしい力持ち」、それがこの事務所などで頑張っている弁護士さんたちと、それを支える職員の方々です。わたしはこの連絡会創設の頃から活動に関わってきましたが、何といってもこの方々の存在がなければ会は成り立たなかっただろうと、いつも尊敬し感謝しています。
 働く人たちを大切にし、その権利を最大限に守り抜く、しかも損得抜きに、口で言うのはやすくても、時間はかかるし労力も並大抵ではないのに、実際には苦労ばかりで報われることが少ないのに、と頭が下がる思いで一杯です。そんな困難に立ち向かう勇気のある元気いっぱいの人々が、この事務所でお仕事をなさっている新進ベテランの先生方です。そんな方々に「頑張っておくなはれ、頼りにしてまっせ」と心からの熱いメッセージを送り、事務所の発展を祈念しながら、これからもしっかりご指導を、とお願いしたいと思います。

医師 田尻俊一郎(大阪過労死問題連絡会会長)

医師 田尻俊一郎(大阪過労死問題連絡会会長)氏のご紹介

 田尻先生は、西淀病院の副院長や、淀川勤労者厚生協会社会医学研究所の所長などを歴任され、また、医師として1970年代から過労死問題に一貫して取り組み、1981年の大阪過労死問題連絡会の結成以来、一貫して会長を務めてこられました。過労死の労災認定には医師の協力が不可欠なのですが、田尻先生はこれまで60件以上も意見書を作成され、そのうち30件以上が業務上の認定を勝ち取られています。
 現在も、たくさんの過労死認定事件で、先生には意見書作成や貴重なアドバイスをいただくなど、本当にお世話になっています。先生の、働く人々に対する深い愛情、そのいのちと健康がむしばまれる現状に対する怒りに、いつも多くのことを学ばせていただいています。
 これからも、末永くご指導いただけることを願っています。
 (なお、先生の意見書をまとめた「道標―田尻俊一郎過労死問題意見書集」を、当事務所でも販売していますので、ご要望の方はお申し出下さい。)

田尻俊一郎先生は、2009年9月4日、逝去されました。
 生前お世話になったことに深く感謝しますとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

弁護士 岩城 穣

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第11号(2000/9/10発行)より転載

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