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法律相談Q&A

慰謝料の請求はできますか?

 私は亡くなった姉の唯一の相続人です。姉は結婚していましたが、病気で死亡しました。姉の夫は、姉と夫婦関係にある中で、ある女性と不貞関係にあったのです。姉は死亡する1ヶ月ほど前に離婚しています。
 しかし、姉は夫やその不貞の相手方に対して不満を言っていたようですが慰謝料の請求をしていたかどうかははっきりしません。姉の相続人である私(唯一の相続人)は、姉の夫や夫の相手方に対し、慰謝料請求をしたいのですが、できるでしょうか。

 夫に対して、不貞行為をしていたことについて慰謝料請求ができます。
 また、夫の不貞行為の相手方に対しても、慰謝料の請求ができます。
 問題点は、①慰謝料請求権という一身専属的なもの(姉にだけ発生する)が相続されるのかどうか、②姉が生前、慰謝料を請求していたがどうかはっきりしないのに、相続人が果たして請求できるかどうかという点です。
 判例(最高裁昭和42年11月1日判決)は、「ある者が……慰謝料請求権を取得し、……その損害の賠償を請求する意思を表明するなど格別の行為をすることを必要とするものではな(く)、当該被害者が死亡したときは、その相続人は当然に慰謝料請求権を相続するものと解するのが相当である。……慰謝料請求権が発生する場合における被害法益は、当該被害者の一身に専属するものではあるけれども、慰謝料請求権そのものは財産上の損害賠償請求権と同様単純な金銭債権であり、相続の対象(となる)」と判示しています。
 但し、被害者が慰謝料請求していない点について、慰謝料を請求できるとしている点など、この判決については疑問視する学者もいます。
 この判例の考えに立って、お姉さんは慰謝料請求の意思を表示していることもあり、あなたは姉の夫や夫の不貞行為の相手方に対して慰謝料請求をされたり、あるいは夫やその相手方に対し慰謝料請求の裁判をされたらよいと思います。

弁護士 蒲田豊彦

あべの総合法律事務所ニュース いずみ第46号(2019/8/1発行)より転載

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